【岡山県】 備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』 3/3

前回、前々回とお送りしてきた備前長船刀剣博物館。今回は『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』とは直接関係ないものを紹介しようと思います。
……が、エヴァものに注視しすぎてしまったこと、また、会場が混雑し、ゆっくり見られなかったこともあって、色々抜けがあります。予めご容赦のほどお願い致します。

ちなみに、右の幕は博物館を出て右手、売店の裏手にある広場に掲出されていたものです。



 

太刀。切っ先しか撮ってませんでした。ごめんなさい。
以下は展示品横の説明文より引用。

太刀
銘 於加賀青木豊久(とよひさ)作之
丙辰年二月日
刃長 2尺4寸7分  反り 8寸9厘  青木 豊
[引用ここまで]



大小献上鮫。以下は展示品横の説明文より引用。
大小献上鮫  DAISHOU KENJYOUZAME
江戸時代
全長 大)51cm 小)28cm    重量 大)604g 小)114g
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日本刀の持つ部分を柄といい、鮫皮が貼られ、糸などを巻き、持ちやすくしてある。その鮫皮は真珠の粒に見えるという、見た目の良さと滑り止めと補強のために1200年以上前から使用されている。
鮫皮の鮫とはいわゆる鮫ではなく、菱形で平たいエイのこと。中でも背中に一箇所しかない大きな粒を「親粒(おやつぶ)」といい、一匹から一カ所しかとれないため大変貴重なものである。粒が大きいのはそれだけもとのエイも大きいのでさらに貴重ということになる。
将軍さまや大名同士の贈答品として「献上鮫」と呼ばれるものまで出現するのはこのためで、江戸時代には1枚一千両したものもあったという。
[引用ここまで]



柄色々。この辺は説明文をメモるのをすっかり忘れてます。
ごめんなさい。
 
 
 
別の柄。



別の柄。


   
もういっちょ柄。



上の柄を別角度で。
まっすぐ作られているわけじゃないんですね。



柄の付属品とおぼしき紐。(いいかげんですみません……)



これはメモ写真が残ってました。
ということで、以下は展示品横の説明文より引用。

鯨鬚巻柄黒漆塗刻鞘 銀装豆短刀合口拵
KUJIRANOHIGEMAKITSUKA KUROURUSHINURIKIZAMISAYA

GINSOU MAMETANTOU AIKUCHIKOSHIRAE
江戸時代後期
全長 18.8cm    重量 64g
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柄には鯨の髭が片手巻きしてある。また、金具類は全て銀製で、中でも笄のようなものが鞘の下方についており、先が二股にわかれた黒文字のようになっている。茶道など余程の趣味人の持ち物だったと考えられる。
[引用ここまで]



鍔(つば)。細工が綺麗だったので写真に収めたのですが、メモ失念。
ケータイのカメラで撮影したので美しさも半減。すまんです。



小柄小刀 六歌仙図。細かい細工をルーペ越しにダンナが撮影したようです。
ということで、以下は展示品横の説明文より引用。
小柄小刀 六歌仙図  KODUKA KOGATANA ROKKASEN ZU
江戸時代
全長 20.3cm  袋 9.5cm  重量 46g
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小刀の表面に六歌仙の名前と歌、肖像を彫りこんだもの。
本来、小刀は戦場での竹や木を削ってお箸を作ったり、紙を切ったり、果物を切ったりと普段使いのなんでもナイフである。ここまで凝るのは普段用では無いにしても…日本人の特性か?
[引用ここまで]



印籠刻変わり絵鞘脇指拵(いんろう きざみかわりえさや わきざしこしらえ)。
江戸時代のもので全長68cm、というところまでしかメモってませんでした。
漆塗りの鞘のようです。面白いデザインですよね。



 江戸時代後期に作られた「塗見本」だそうです。
これも興味深い(けど、メモ忘れました)。



「兼元」という銘の刀。マゴロクソードの関連展示だったようです。
ということで、以下は展示品横の説明文より引用。
刀 銘 兼元(かねもと)
拵   黒漆塗打刀拵(くろうるしぬり うちかたなこしらえ)
刃長 74.4cm  反り 2.1cm    室町時代後期
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室町時代後期の美濃鍛冶の代表工。孫六を屋号とし、通称「孫六兼元」、「関の孫六」で有名。代々兼元を名乗り、現代でも名跡はつづいている。
斬味でも最高ランクの最上大業物に列し、多くの大名に愛される。
刀身を横に展示している状態で、鋼をよくよく見ると、横長の皺のようなものが見える。これを、地鉄の鍛え肌が「柾がかる」といい、鍛錬の時に、鋼と鋼を同じ方向に折り曲げていくとできる肌模様のこと。
[引用ここまで]



室町時代後期の末備前の代表工、勝光さんによる刀のようです。
以下は展示品横の説明文より引用。
刀 銘 備前国住長船 次郎左衛門尉勝光(かつみつ)
大永三年八月吉日
刃長 60.6cm  反り 2.1cm    室町時代後期
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室町時代後期の備前鍛冶の作風を総称して、末備前という。勝光はその代表工。
片手で持つため、茎(なかご)は短く、重量を制限するため刀身も2尺1寸(約63cm)前後と少し短く、寸法の割に先反りがつくところなど、この時代の特徴的な片手打の姿をしている。
勝光は同名数代続き、最も有名なのが右京亮勝光やその子・次郎左衛門尉勝光である。良業物。
重要文化財に指定されている右京亮勝光の刀1口は、日光東照宮に残されている徳川家康の愛刀。次郎左衛門尉勝光とその子治光の合作1口は中国の三大謀将であった尼子経久の指料で、現在乃木神社に納められている。
[引用ここまで]



巻き巻きの部分をアップで。



こういう形の太刀を「糸巻太刀拵」というみたいですね。
こういった説明も展示されてました。勉強になります。



「大般若長光」という名称はゲームでも見かけますが、
その「長光」銘の太刀だそうです。
以下は展示品横の説明文より引用。
太刀 銘 備前国長船住長光(ながみつ)
正安三年
刃長 70.2cm  反り 2.0cm    鎌倉時代後期
──────────────────────────────────────
鎌倉時代後期の長船派の名工。とにかく名品が多く、また「長光」という銘が縁起良く、「ご威光が長く光りますように」と祈りを込めて将軍家や大名家の代替わりの贈答品として活躍した。「大業物」。刃文はおとなしい直刃調を焼いたものと、勢いのある派手な丁字を焼いたものと、いろいろあれど「映り(うつり)」たつ名品ばかりである。国宝6口、重要文化財28口は刀剣界でも屈指の名工の証である。
また、江戸時代には大般若経600巻と極め(鑑定)で600貫とついたことをかけて「大般若長光」と呼ばれている御刀もある。
[引用ここまで]




ここからは博物館の外にある施設の紹介を少々。
ここは(確か)備前長船鍛刀場の入口。マリさんがお出迎えしてくれています。



鍛刀場の中。普段は刀匠が作刀されているところが見られるそうですが、お盆時だったからか、お昼時だったからか、どなたもいらっしゃいませんでした。




多分奥は刀をトンテンカンと鍛えるところじゃないかと思うのですが、手前の機械は何に使うのでしょう。



サイン色紙を発見。


ということで、とても興味深く、充実した一日を過ごせる博物館でした。
展示内容はもちろんですが、鍛刀場のほか、(写真には収めませんでしたが)「塗り」や「彫金」などの工房もあって、匠がいらっしゃればその技をその場で拝見することもできます。
「刀剣の世界」と言われると難しそうですが、あまり深く考えずに美術品を眺めるように、あるいは社会科見学的なイメージで、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。
あらたな発見があるかもしれません。

また見たいので東京に来てくれないかなぁ。 



    


備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里
住所岡山県瀬戸内市長船町長船966
開場時間 9:00 - 17:00(入場は16:30まで)
休場日毎週月曜日(ただし休日の場合は翌日に振替)
12月28日から1月4日、祝祭日の翌日
ウェブサイトhttp://www.city.setouchi.lg.jp/~osa-token/index.htm
※『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』は期間限定(2012年7月14日から9月17日まで)の特別展です。
※博物館についての最新情報や詳細につきましては公式サイトをご確認ください。