【アニメ】 『へうげもの』 感想

「へうげる[ひょうげる]」とは、『ふざける』『おどける』という意味。
本作では、激しい戦乱の世にありながら、茶の湯の世界に心奪われた「へうげもの」の武将・古田左介(織部)の生き様を、これまでに無い歴史観と大胆な描写を駆使しながらユーモアたっぷりに描き出します。
茶道や茶器、美術や建築など、「日本の文化」にもスポットをあて、ちょっとリッチな『大人のアニメ』を目指します。



さて、物語のほうは…
時は戦国乱世。織田信長が今まさに天下を獲らんとするその陰に、茶の湯と物欲に魂を奪われた一人の武将がいた。のちに数奇者として天下に名を轟かせる「古田左介(織部)」である。「出世」と「物」、二つの欲の間で葛藤と悶絶を繰り返す日々の中、時代は大きく揺れ動く。やがて左介は「数奇者」としての天下獲りを心に決め、「へうげもの」への道をひた走る。
天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、戦国時代を駆け抜けた男/知られざる傑物の物語。

────以上、NHKウェブサイト「NHKアニメワールド」内『へうげもの」ページより引用


原作は『モーニング』にて連載中の、山田芳裕先生による同名タイトルの漫画作品で、Wikipediaによりますと、2009年に第13回文化庁メディア芸術祭漫画部門で優秀賞を、翌2010年には第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞を、それぞれ受賞しています。歴史物は『殿といっしょ』くらいしか知らないあきらには敷居が高く読めずにいたこのお話がアニメ化されたということで、早速拝見したのですが……。
あきらの拙感想は以下にて。


 

先に謝っておきます。ごめんなさい。m(_ _)m
「織部」の名前を授かるところを見るまで、主人公は架空の人物だと思ってました。
す、すみません。歴史はとんと疎いもので……。

茶道具の名品に戦国時代、変顔に時折お色気……、なんだか『なんでも鑑定団』や『美の壺』のような番組が大好きで、したり顔で蘊蓄を垂れるような「オヤジ」を狙い撃ちしているような話だなぁ……、と思いながら最初のうちは観ていました。しかしながら、本能寺の変、利休と秀吉の確執と話が進むにつれ人間ドラマにはまってしまい、最終回では臆面もなくぼろぼろと泣いていました。

すごい。鬼気迫るお話でした。
男の友情とは、男の師弟とは、かくあるものか、と。
秀吉をとりまく闇と孤独はどれだけ深いものだったのか、と。
唸ってしまいました。そして、実家に寄った際に歴史好きの父につい熱く語ってしまい、原作を強く勧めてしまいました。
今、父の本棚には『へうげもの』が並んでいます(笑)。

どこまでもへうげた番組だったと思います。
歴史物なのにクラブっぽいオープニング曲(最初のうちは別の曲でした)、エンディングはオヤジのアイドル(?)斉藤由貴ちゃんのボサノヴァ。番組の後には、鑑定士としてお馴染みの中島誠之助さんが話中に登場した名品を紹介・解説するミニコーナー「へうげもの名品名席」まで用意されていました。

「『大人のアニメ』を目指す」と冒頭の紹介文にありましたが、これは「オヤジを狙い撃ったような」作品ではなく、全力でオヤジを狙い撃っていたんですね。素晴らしい。

歴史考証的なことはよくわかりませんが、歴史解釈(人物描写や相関)に齟齬のようなものは全く感じられず、「これが史実だ」と思い込んでしまうくらいスッと腑に落ちる展開でお話が進むのも素晴らしかったです。
ただ、あきらの周りでは本作品を観ている人も原作を読んでいる方も皆無なのが寂しかったです。4月からはNHK総合での放送が始まるそうなので、皆さん観て下さいね。
本当に面白いですから。


ということで、これが噂のオープニング曲。映像はありませんが。



そしてエンディング曲。フルコーラスなのでちょっとアレンジが違います。

  
「武か数奇か、それが問題だ」
というテーマも、仕事と趣味の狭間で葛藤する現代人にも共通する問題でわかりやすいですよね。

ということで、利休×古織の薄い本はまだですか?できれば、あの絵柄で。
あ、利休×秀吉でも、家康×光秀でも良いですぞ。できれば、あの絵柄で。(←殴)