【アニメ】 『GIANT KILLING ジャイアントキリング』 感想

弱者の戦略が強者を倒す。 
“It's ジャイアントキリング!!” 

低迷を続ける日本の弱小プロサッカー・クラブ
ETUに一人の男が監督として迎えられた。
男の名は、達海猛(たつみ たけし)。
イングランド5部のアマチュアクラブを、
FAカップでベスト32に導き、
プレミアリーグのクラブをギリギリ
まで追い詰めた手腕の人物だ。
そんな彼に古巣のクラブが白羽の矢を立てた訳だが、
チーム内は開幕前から騒動ばかり、
果たしてこの起用は
吉と出るか、凶と出るか!? 

 ──── 以上、NHKアニメワールド内『GIANT KILLING ジャイアントキリング』ウェブサイトより引用
  
  
待ってました!
コミックスが出た時から気になっていたのですが、どうせなら動く絵で見たい!と願い、原作を読まずに待っていました。とうとう、とうとう現実のものになりました。
サッカーはワールドカップとNHK BSで放送されるイングランドのプレミア・リーグを見る程度しか嗜んでいないあきらの感想は以下から。
  

  
  
実に楽しいです。リアル。なのに痛快。
大筋は、弱小チームがそのチームの元選手である監督のもと強くなっていくという、スポーツ漫画の王道をいってますが、それだけではないのです。

見た目はだらしないけど分析と戦略にたけた新監督・達海と個性溢れるチームの選手たち。一見奇抜なトレーニングや選手起用に最初は不信感や警戒心を持っていた一部の選手も、監督の意図を理解し、試合で勝つようになる事で信頼が芽生え、チームとして一体となっていきます。

しかし、この達海監督、選手時代ETUで何かがあったらしく、サポーターから「裏切者」と嫌われています。サポーターはチームが勝てない事や今回の新監督起用への不満をフロント(で良いのかな?チームの関係者)にぶつけます。

弱小ゆえにスポンサーがつかないフロントは金策とサポーターの板挟みに悩んでいます。

しかし、そんな風に押し掛けるETUサポーターは比較的若い層の集まりです。達海が選手だった頃からのサポーターである地元商店街のおじさんたちは今はサッカーへの愛や情熱が薄れ、日々の仕事に追われる日々を送っていますが、達海の監督就任を聞き、失いかけていたサポーター魂に灯がともります。ETUを愛する気持ちは同じサポーター。しかし、前者の層と後者の層の間には深い断絶が横たわっているのです。

そして、ETUの取材を進めるうちにETUが変わった、と感じる記者やカメラマンたち。
そういった、サッカーの試合に直接は関係ないところまでもがとても丁寧に話の中に織り込まれていて、作品にリアルな立体感を与えているのです。

選手の動きもとてもリアルです。上体を真っ直ぐに保って、腕をあまり振らない独特の走り方。サポーターの応援する様子。ボールをさばくときの足の動き。試合を俯瞰で映した際のポジション取りに走る選手の動き。時に、まるで本物の試合を観ているような臨場感に襲われます。

と、長々と書いてしまいましたが、とにかくサッカーに詳しい方も詳しくない方も、おおいに楽しめる作品だと思います。
オープニングの曲と映像がとても臨場感があって好きなのですが、それ単体の映像はWebにないようなので、バンダイチャンネルさんによる第1話の映像を。埋め込み禁止なので、左のリンク先からどうぞ。
個人的には続きをアニメでまた観たいです♡
NHKさん、お願いします。


ふと思ったのですが、『キャプテン翼』が「プレイしたくなる」漫画で、『シャンペンシャワー』が「観戦したくなる」漫画なら、本作品は何だろう?「サッカーを知りたくなる」漫画、かしら?(苦笑)