【アニメ】 『閃光のナイトレイド』 感想

1931年、魔都「上海」。
日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦を経て、中国大陸へと進出した日本陸軍。
その中に歴史上葬られた特殊スパイ組織“桜井機関”が存在した。
覇権国家が群雄割拠する上海で、
特殊な能力を持つ彼らは決して表舞台に出る事なく、
様々な事件の裏で暗躍する。
そんな最中、とある陸軍の一部隊が忽然と姿を消す。
それはやがて世界を揺るがす大事件への序章であった──。

国際都市“上海”で繰り広げられる陰謀の交錯(コン・ゲーム)。
歴史の闇に葬られし大戦の序曲が、今始まる──。
────以上、『閃光のナイトレイド』公式サイトより引用

TV東京で放送中の『アニメノチカラ』企画第2弾作品です。
1930年代の上海には格別に思い入れのあるあきらの感想は以下から。




えっと、まず何故この時代のこの場所に思い入れがあるかと言いますと、1980年代に漫画家の森川久美先生が描かれた『蘇州夜曲』『南京路に花吹雪』『Shang-hi 1945』という中国を舞台にした一連の作品が大・大・大好きだったのですよ。もう思い出すだけで涙が出る程に。
特に『南京路に花吹雪』は、1930年代の上海を舞台に日中戦争を回避しようとする日本軍将校・小此木大佐の地下組織「54号」のお話で、それこそあきらにとっては超がつく名作だったのです。(あらすじはこちらが詳しいと思います。)

なので、どうしても比較してしまうのです。で、比較してしまうと、『閃光のナイトレイド』はちょっと粗が目立つというか、なんとなく予定調和的というか、カタルシスが足りない、というか、まぁ、ちょっと物足りなかったのです。

あの人が実は裏切者で……、という展開はありがちといえばありがちなのですが、「南京路」が頭から離れないあきらにとっては思いもよらなかったです。でも、できれば「あの兵器」を止めるのではなく「あの戦争」そのものを止める方向でお話を進めて欲しかったなぁ、と。
(そうすると「南京路」のと同じお話になってしまうので、それはそれで困るのですが。)

とはいえ、日中戦争直前の1930年代の中国という、現代においても慎重に取り扱わなければならない時代と場所を題材に選ばれた事、そしてそれを実際に放映された事は大きな挑戦で、これからのためにも良い一歩を踏み出した作品だったと思います。声優さんも中国語の台詞にも挑戦し、見事に演技されていました。
あきら的には、お話の面では「超絶オススメ!」とは残念ながら申し上げかねる作品でしたが、あの時代の雰囲気をとりあえず感じてみたい、という方には見やすくて良い作品かと思います。
あと、豪華にも葉加瀬太郎さんの曲が使われているので、音楽に関してはかなりオススメです。
  
  
  
ということで、『閃光のナイトレイド』オープニングはこんな感じ。
モダンで和風な色使いとタイプの動きは結構好きです。
   
    
  
葉加瀬太郎さんによるメインテーマ。カッコイイ♡
ヴァイオリン好きにはたまらないです。
  
  
  
この「アニメノチカラ」という企画は非常に面白いと思っていたのですが、残念ながら、『ソ・ラ・ノ・オ・ト』『閃光のナイトレイド』『世紀末オカルト学院』の3作で終わってしまったようで、とても残念です。アニメーションオリジナル作品というのは原作つきの作品に比べるとテレビなどでの放映機会が少ないように見受けられます。おそらく需要や人気が読めないなどの問題点があるからだと思いますが、それでも、オリジナル作品に対する発表の場はアニメーションに携わる人や業界にとって非常に重要で大切だと思うのです。
なので、年1作品でも良いので、シリーズとして(できれば制作会社の枠を超えて)再開されることを願ってやみません。

(とか言ってる割に本作品以外の2作品の感想がないのは、見逃しがあって本作品以外は全編を観られなかったからです。偉そうな事を言っておいてこの体たらく。ごめんなさい。)