皇居のお堀に面した帝劇ビルにある出光美術館で開催されている『生誕260年 仙厓 -禅とユーモア-』展に行ってきました。
仙厓(仙厓義梵:せんがいぎぼん)さんは江戸時代の禅僧で、禅の精神を自分流に解釈しユーモラスな絵で教え説きました。TVなどでも紹介されているため、いくつかの絵はご存じの方も多いと思います。
その仙厓さんが私たちに残したメッセージとは。
出品リストと感想は以下に。
※「仙厓」の「厓(がい)」は「涯」からさんずいをとった文字です。
機種依存文字らしいので正常表示できてなかったらごめんなさい。
生誕260年 仙厓 -禅とユーモア
【出品リスト】
・同じ画題が多いため、リスト上では区別がつきにいものが多くてすみません。
「寸法」で見分けていただければ……
・作品名/作者名/制作年/員数/技法・材質/寸法(cm)/の順で記載。
■第一章 禅僧仙厓の生涯 -仙厓略伝
■第二章 画賛と墨跡にみる禅の教え -禅画と一行者
■第三章 布袋十二態 -布袋の姿をかりた仙厓の思い
■第四章 仙厓と愉快な仲間達 -ご隠居様は人気者
■第五章 画賛にあらわれた仙厓の心 -厳しさをユーモアにつつんで
〈仙厓遺愛の品々〉
のびのびと、しかし迷いのない筆さばきによる絵や書はどれも微笑ましく、心温まるものばかりでした。
蕪の絵に「かぶ菜と坐禅坊主は坐るをよしとす」と書き添え坐禅の姿勢の極意(?)をユーモラスに教えたかと思えば、したり顔だけど憎めない蛙の絵とともに「坐禅して人は佛となるならハ」と書き添え、坐禅していれば悟れるってものでもないぞ(今風に言うと「坐禅だけなら蛙でもできる」というカンジでしょうか)と指導したり。
また、禅では「悟りの境地」を意味する「○」。その円の横には一言「これくふて茶飲め」とあったり、頼まれて描いた「虎」の絵はどう猛さなど欠片もないひょうきんなものとなってしまったため(?)絵の横に「虎ニ似タモノ」と書き添えられていたり。
茶目っ気たっぷりな「外し方」につい絵の前でにやけてしまいました。
そして、晩年の朝顔の絵に書き添えられていたのは
「明る日は / 暮るものとも / 志ら露を / 命に咲か / あさ顔の花」
まるで、多様性の時代を生きる私たちへのエールのような一句。
元気いただきました。
ありがとう、仙厓さん。
そういえば、有名な「○△□」。普通の人(□)が修行して(△)悟りを開く(○)って意味だったと記憶してるのですが、絵の通り(□△○)だと昔の読み順では「○→△→□」になるような……。逆っぽいケド、良いのかなぁ?
仙厓(仙厓義梵:せんがいぎぼん)さんは江戸時代の禅僧で、禅の精神を自分流に解釈しユーモラスな絵で教え説きました。TVなどでも紹介されているため、いくつかの絵はご存じの方も多いと思います。
その仙厓さんが私たちに残したメッセージとは。
出品リストと感想は以下に。
※「仙厓」の「厓(がい)」は「涯」からさんずいをとった文字です。
機種依存文字らしいので正常表示できてなかったらごめんなさい。
生誕260年 仙厓 -禅とユーモア
- 出光美術館 [2010/09/18(Sat.) - 2010/11/03(Wed.)]
【出品リスト】
・同じ画題が多いため、リスト上では区別がつきにいものが多くてすみません。
「寸法」で見分けていただければ……
・作品名/作者名/制作年/員数/技法・材質/寸法(cm)/の順で記載。
■第一章 禅僧仙厓の生涯 -仙厓略伝
- 東輝庵画賛/仙厓/文政6年(1823)/一幅/紙本墨画/130.0x52.5
- 馬祖・臨済画賛/仙厓/江戸時代/双幅/紙本墨画/(各)117.9x41.2
- 慈明画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/39.9x55.8
- 行脚僧画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/100.5x28.4
- 富士駕籠舁/仙厓/文化11年(1814)/一幅/紙本墨画/94.0x38.3
- 千光祖師(栄西)画賛/仙厓/江戸時代/一幅/絹本墨画/88.2x34.4
- 野狐禅画賛/仙厓/文化5年(1808)/一幅/紙本墨画/78.6x28.3
- 自画像画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/43.1x64.1
- 尺牘(大通和尚宛 紫衣固辞)(草稿)/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/26.0x39.4
- 懶瓚煨芋画/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/26.3x43.0
- 虚白院独居画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/132.8x58.1
- 虚白院閑居詩/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/85.6x29.3
- 七絶詩/仙厓/天保3年(1832)/一幅/紙本墨画/112.2x35.3
- 米年の春の歌/仙厓/天保8年(1837)/一幅/紙本墨画/31.7x42.6
■第二章 画賛と墨跡にみる禅の教え -禅画と一行者
- 狗子仏性画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/108.9x27.5
- 南泉斬猫画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/125.7x52.5
- 臨済・徳山画賛/仙厓/江戸時代/双幅/紙本墨画/(各)94.7x28.0
- 狗子画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/34.4x26.8
- 蕪画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/46.4x25.4
- 坐禅蛙画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/40.3x53.8
- 香厳撃竹画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/66.2x23.8
- 一円相画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/26.0x42.0
- 茶果書/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/31.9x39.7
- 一行書「栽松化為 老龍鱗」/仙厓/文化13年(1816)/一幅/紙本墨画/106.1x20.7
- 臨済栽松画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/92.1x34.6
- ○△□/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/28.4x48.1
- 二字書「無事」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/28.4x48.1
- 一行書「一日不作一日不食」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/88.1x27.8
- 一行書「一盂午飯一盃茶」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/93.9x26.7
- 一行書「冨莫大於知足福莫盛於無禍」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/102.6x24.3
- 一行書「寡欲則心自安」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/91.6x28.4
- 一行書「作善降之百祥」/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/95.5x27.3
- 一行書「慈眼視衆生」「應無所住而生其心」「一切唯心造」/仙厓/江戸時代/三幅対/紙本墨画/(各)98.9x27.9
- 出山釈迦画賛/仙厓/天保3年(1832)/一幅/紙本墨画/113.5x30.1
- 達磨画賛/仙厓/文政10年(1827)/一幅/絹本墨画/103.9x33.2
- 達磨画賛/仙厓/天保8年(1837)/一幅/紙本墨画/102.8x29.3
- 阿弥陀如来図(宗像大社阿弥陀経石拓本)/仙厓/文政11年(1828)/一幅/紙本墨画/101.9x70.9
- 四天王寺額書/仙厓/文政13年(1830)/一幅/紙本墨画/130.0x52.7
- 滝見観音画賛/仙厓/文政10年(1827)/一幅/絹本墨画/105.4x45.7
- 滝見観音画賛/仙厓/天保3年(1832)/一幅/紙本墨画/93.8x29.1
- 滝見観音画賛/仙厓/天保4年(1833)/一幅/紙本墨画/113.8x34.6
- 三聖画賛/仙厓/文政2年(1819)/一幅/紙本墨画/33.3x55.2
■第三章 布袋十二態 -布袋の姿をかりた仙厓の思い
- 七福神画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/125.4x52.0
- 三福神画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/51.0x53.2
- 七福神号/仙厓/天保4年(1833)/一幅/絹本墨画/28.5x34.0
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/28.5x36.5
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/37.2x53.3
- 渡橋布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/37.3x62.0
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/63.1x26.7
- 布袋画賛/仙厓/文化14年(1817)/一幅/紙本墨画/92.5x25.4
- 布袋画賛/仙厓/文化14年(1817)/一幅/紙本墨画/88.5x29.0
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/121.6x55.0
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/32.4x57.4
- 布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/89.8x27.7
- 指月布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/94.2x28.1
- 指月布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/126.2x27.4
- 指月布袋画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/54.1x60.4
- 書画巻(草稿)より/仙厓/文政6年(1823)他/一巻/紙本墨画・墨画/31.7x676.8
- 箱崎宮鳥居形陶硯/作者記載なし/江戸時代/一面/18.0x16.0
- 銅象鈕仙厓印/作者記載なし/江戸時代/一顆/高2.4
- 竹図・書彫扇形矢立/作者記載なし/江戸時代/一本/長24.6
■第四章 仙厓と愉快な仲間達 -ご隠居様は人気者
- 親子虎画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/126.9x60.0
- 一丸岩根画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/59.5x23.9
- 米屋甚太郎画賛・北舟米屋画賛/仙厓 湛元等夷 加筆/江戸時代 嘉永7年(1854)(湛元記)/双幅/紙本墨画/61.3x28.7 62.6x28.4
- 自画像画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/42.5x50.7
- 烏鷺争局(囲碁)画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/49.8x61.6
- 家訓/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/20.0x31.4
- 絶筆碑画賛/仙厓/天保3年(1832)/一幅/紙本墨画/54.9x48.8
- 美人画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/31.0x44.0
- 娘画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/22.5x29.0
■第五章 画賛にあらわれた仙厓の心 -厳しさをユーモアにつつんで
- 龍虎画賛/仙厓/江戸時代/双幅/紙本墨画/(各)128.5x55.3
- 韓信股潜画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/53.4x52.8
- 農夫画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/78.6x32.0
- 吉野花見画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/43.5x62.8
- 虎画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/28.5x35.3
- 寒山拾得画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/29.3x53.5
- 尾上心七(新七)七変化画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/40.7x55.9
- 橋上人物画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/144.7x63.4
- 蘆画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/33.4x55.6
- 頭骨画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/39.2x55.0
- 切縄画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/27.0x31.7
- 秋月画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/31.8x50.6
- 猿猴捉月画賛/仙厓/江戸時代/一幅/絹本墨画/97.5x36.3
- 堪忍柳画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/47.0x59.7
- 堪忍の歌/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/30.9x54.0
- 宝船画賛/仙厓/文政2年(1819)/一幅/紙本墨画/37.3x46.6
- 大黒・恵比寿画賛/仙厓/江戸時代/双幅/絹本墨画/(各)74.8x27.6
- 踊寿老画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/35.5x51.3
- さじかげん画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/35.6x53.0
- 双鶴画賛/仙厓/江戸時代/一幅/絹本墨画/83.2x36.7
- 老人六歌仙画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/49.7x56.0
- 老人画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/63.4x26.7
- 朝顔画賛/仙厓/江戸時代/一幅/紙本墨画/83.2x27.1
- 牡丹画賛/仙厓/天保8年(1837)/一幅/紙本墨画/114.2x45.5
〈仙厓遺愛の品々〉
- 唐津茶碗/作者不明/桃山時代/一口/径8.4
- 織部筒茶碗/作者不明/江戸時代/一口/高6.6
- 姥ヶ餅焼茶碗/作者不明/江戸時代/一口/径13.2
- 高取竹図水指/仙厓 絵付/江戸時代/一口/高14.8
- 茶杓 銘 明けぼの/仙厓 共筒/江戸時代/一本/長18.1
- 茶杓 銘 たそがれ/仙厓 共筒/江戸時代/一本/長17.3
- 茶杓 銘 寿/仙厓 共筒/江戸時代/一本/長19.1
- 書画入煎茶碗箱/作者不明/江戸時代/一口/高15.9
のびのびと、しかし迷いのない筆さばきによる絵や書はどれも微笑ましく、心温まるものばかりでした。
蕪の絵に「かぶ菜と坐禅坊主は坐るをよしとす」と書き添え坐禅の姿勢の極意(?)をユーモラスに教えたかと思えば、したり顔だけど憎めない蛙の絵とともに「坐禅して人は佛となるならハ」と書き添え、坐禅していれば悟れるってものでもないぞ(今風に言うと「坐禅だけなら蛙でもできる」というカンジでしょうか)と指導したり。
また、禅では「悟りの境地」を意味する「○」。その円の横には一言「これくふて茶飲め」とあったり、頼まれて描いた「虎」の絵はどう猛さなど欠片もないひょうきんなものとなってしまったため(?)絵の横に「虎ニ似タモノ」と書き添えられていたり。
茶目っ気たっぷりな「外し方」につい絵の前でにやけてしまいました。
そして、晩年の朝顔の絵に書き添えられていたのは
「明る日は / 暮るものとも / 志ら露を / 命に咲か / あさ顔の花」
まるで、多様性の時代を生きる私たちへのエールのような一句。
元気いただきました。
ありがとう、仙厓さん。
今回の戦利品。ポストカード類が安いのは嬉しいのですが、双幅モノはセットで出して欲しかったです……
そういえば、有名な「○△□」。普通の人(□)が修行して(△)悟りを開く(○)って意味だったと記憶してるのですが、絵の通り(□△○)だと昔の読み順では「○→△→□」になるような……。逆っぽいケド、良いのかなぁ?