【アニメ】 『TO』 感想

飛躍的な科学の進歩から、超高速移動”超空間航行(ハイパースペース)”が実用化され、遠い恒星への進出も可能になった近未来。
人類は新たな楽園(ユートピア)を求め、宇宙へと飛び立った。そこで人類が直面したのは、地球上と変わらない、”テロリスト”や”国家間対立”などの醜い闘争だった…。
無限の宇宙を舞台に、人類の希望を描く、SFアクション超大作!
-『TO』公式サイトより引用
原作は星野之宣(ほしの ゆきのぶ)さんの『2001夜物語』。1984年6月〜1986年6月まで双葉社さんの『月刊スーパーアクション』にて連載されていたお話だそうです。私は「宗像教授」シリーズは少し読んだことがあるのですが……。
ということで、例によって例のごとく、原作を知らないままの当てにならない感想は以下から。



この『TO』という作品は「楕円軌道」と「共生惑星」という2つのお話で構成されるオムニバス作品です。
「楕円軌道」は、宇宙ステーションを舞台に「液化プロトン」という資源を狙うテロリストとの戦いを描いたお話。
「共生惑星」は資源採掘のための惑星を舞台に、未知の菌類に感染する人々と彼らのいるコロニー間の国家的確執を描いたお話。
しかしながら、上述の通り「地球と変わらない醜い闘争」を描くのなら、舞台を宇宙にする必要はあったのでしょうか?

「楕円軌道」の中ではテロリストから逃れるため、宇宙ステーションの「窓に体当たりして窓を割って脱出する」というシーンがあるのですが、そんなヤワな窓で大丈夫なのでしょうか。ついでに、あの勢いで宇宙空間に飛び出すなんて……、命知らずすぎ。
また、宇宙ステーションの外(すなわち宇宙)でのレーザー銃での銃撃戦のシーンでは、無重力空間にもかかわらず物陰に静止したり、急に立ち止まったりすることができる皆さん。外まで重力が働いているんですかねぇ……。
最後の最後で「ウラシマ効果」なネタも出るのですが、本筋には絡まず。

「共生惑星」は重力のある地上(惑星)のお話だったためか、破綻している部分は少なく安心して見られたのですが、「冷戦時代のロミオとジュリエット(+未知のウイルス)」という内容なら宇宙ではなく、地球の中米やアフリカを舞台にしても別に良かったのではないかという思いがちょっぴり残りました。

ということで、大変申し訳ないのですが、あきらの好みではない系統の作品でした。
3D映像からか、なんとなく『BATON』的なものを感じたので、『BATON』が好きな人なら楽しめるかも?



↑「楕円軌道」の特別編集版です。
件の「窓ブチ割り」シーンは4分位のところで見られます。


実はあきらはそんなにSFには詳しくないのですが、『トップをねらえ!』と『プラネテス』で生半可な知識を持ってしまっているために、あきらの中の「宇宙モノ」ハードルが上がっちゃっているのかも。

あ、そうだ。
CADっぽい映像と公式サイトでも流れている音楽のオープニングはカッコイイのでおすすめですよ。