【アニメ】 『ミチコとハッチン』 感想

厳しい里親のもとで育ち、そこから逃げて自由に生きたいと願う少女「ハッチン」。
でも、そんなことできるわけないとスグにあきらめてしまう。
しかしその日は突然やってきた。あのオンナと共に…。
その名は「ミチコ・マランドロ」。
脱獄不可能といわれた監獄要塞を破り、絶対自由に生きるセクシー・ディーバ。
舞台は強烈な太陽と、原色の国。
ひとたび荒野に踏み出せばそこは危険な無法地帯。
ミチコはそんな世界をラティーノ・ビートに乗って、しなやかに生き、ハッチンは自由を夢見て生きていた…。
そんな噛みあわない女ふたりによるスリルに満ち溢れたアリエナイ逃避行が、いま幕を開ける!
-『ミチコとハッチン』公式サイトより引用

『サムライチャンプルー』『エルゴプラクシー』と良質のオリジナルアニメを制作しているマングローブさんのオリジナルアニメ第3弾は南米が舞台のアクション・ロードムービー風なお話。
先の2作品を見逃してしまっていたので今作は逃さないよう注意していたのですが……。
感想は以下から。




「楽しい!」の一言に尽きる作品です。
SOIL&"PIMP"SESSIONSさんのオープニング曲『Paraiso』からグッと心を鷲掴みにされ、自由奔放で破天荒なミチコに笑い、バイク&カーアクションに興奮し、ハッチンに癒され、サトシやシンスケの末路に涙する。感情を色々な方向から揺さぶられるので観終わった後はちょっと疲れますが、本当に楽しい作品でした。

中でもあきらの心の琴線に触れたのはミチコとアツコの関係。「友情」とも「幼なじみの腐れ縁」とも違う、「敵対」関係でありながら互いを「信頼」しているような、そんな2人の不思議な「絆」ともとれる関係性が女性間で成立している事に対し、私は(同じ女として)ありえないと思いつつ、「ドライな女の友情が成立していること」に憧れます。

暴力描写や殺人、その他犯罪シーンが多いので若い人には勧めちゃイケナイんだろうなぁ、とも思うのですが、こういう作品こそ感受性が豊かな若い世代の、特に女の子に観て欲しいなぁ、と思います。暴力や犯罪ではなく、その先にある末路を。そしてミチコ、ハッチン、アツコ、それぞれの「女の生き方」を。
あ。もちろん、男性の方にもオススメですよ、上記のシーンが嫌いでなければ。

難点を挙げるとすれば、各キャラクターの声を声優さんではなく芸能人にお願いしてしまったところ、かな。それほど破綻はせず、逆に声優さんよりドライな演技だからこそ成立したのかもしれないのですが、所々滑舌が悪かったり(声の)演技としてが微妙な所があったのがちょっぴり残念でした。
あと、フジテレビのアニメ枠はよく時間変更が発生するんですよね。本作品も時折「隔週で1時間放映」となっていたのですが、それがHDDVDレコーダーの「追っかけ予約」には上手く反映されなくて、結局何話か見逃してしまいました。
21世紀だというのに、新聞のテレビ覧とのにらめっこをする日々が続くのはちょっと勘弁してほしいところです。


ということで、アニメオープニング映像です。
(日本で放送していたのとちょっと違うかも)

絵と音楽、両方サイコーですよね。