【アニメ】 『戦場のヴァルキュリア』 感想

時は征暦1935年。
ヨーロッパ大陸は東西の二つの大国に分断されていた。
鉱物資源・ラグナイトをめぐり勢力争いを広げる専制君主国家「東ヨーロッパ定刻連合(通称・帝国)」と、王政を廃した共和国の連邦国家「大西洋連邦機構(通称・連邦)」の両国がついに開戦する。
争いは、武装中立を国是とする小国・ガリア公国へも飛び火し、国境の町・ブルールで出会った少女アリシアと青年ウェルキンは、「必ず故郷へ戻る」ことを誓い、義勇軍への入隊を決意する!

この物語は、戦火の中で錯綜する兵士たちの様々な思いと感情を描き、そこで生まれる新たな友情、愛をテーマに繰り広げられる七ヶ月間のドラマである。
伝説【ダルクスの災厄】に隠された真実。
そして謎に包まれていたヴァルキュリア人の秘密とは…。
-アニメ版『戦場のヴァルキュリア』公式サイトより引用

原作はセガのPS3ソフト『戦場のヴァルキュリア』 。『サクラ大戦』や『エターナルアルカディア』でも知られる旧オーバーワークスのスタッフによるSRPGという噂を聞き、東京ゲームショウで発表された当時から気になっていたのですが、PS3を持っていないためプレイできずにいます。
そんな訳で原作の内容を知らないまま拝見したアニメ版の感想は以下。




お話や世界観がしっかりしていて、とってもSEGAらしい丁寧なお話だなぁ、と感じました。
特に、登場人物が単なる性格だけのキャラクターや物語を動かすだけのキャラクターではなく、舞台となる世界と制作者のメッセージを表現する「駒」としての役割をきちんと担ったキャラクターである、という所はやはりゲーム的だなぁと思いました。例えば、イサラは単に「メカおたく」「合理的(クール)」といった性格づけをされただけのキャラクターではなく、この世界とこの世界における「ダルクス人」というものを視聴者に示す役割を持っています。そして、世界観が視聴者に浸透したところで「ロージーとの和解」というイベントが発生し、イサラという「駒」はその役割を終えます。こういった手法はゲームのみならず、アニメや漫画、小説にももちろん使われます。しかし、このカードの切り方やタイミングが私にはとてもゲーム的に感じられ、その点から(原作との差異はわかりませんが)ゲームの内容を丁寧にくみ取ったのであろうアニメのスタッフの皆さんの心意気を感じられて嬉しかったです。
「戦争」という時代背景のお話にしては恋愛シーンが多く戦闘シーンが少ないのが最初は気になったのですが、おそらくこれは「ゲームをプレイしてね」という意図だったのでしょう。確かに戦闘部分はただ見ているよりも自分でプレイし体感した方が面白いと思うので、そこはゲームの領域、と割り切ったと考えれば好感が持てます。
思わずPS3と一緒に買ってしまおうか、と、観ている間はかなり誘惑されていました。



ということで、例によってオープニング映像です。


それにしても、各国の歴史的・民族(民俗)的背景がリアルに迫ってくるこの世界観の壮大さは『エターナルアルカディア』っぽかったんだけど、シナリオライターさんが同じ方なのかなぁ……?