【購入履歴】 鉄錆廃園


(画像左上から横に)
鉄錆廃園 I ISBN978-4-403-61937-3
鉄錆廃園 II ISBN978-4-403-61938-0
鉄錆廃園 III ISBN978-4-403-67073-2
鉄錆廃園 IV ISBN978-4-403-67074-9
以上、全て
華不魅 [著] 新書館 [発行] 各1,200円(税別)



あきらが最も敬愛する漫画家さんの1人、華不魅(かずみ)さんの『鉄錆廃園』がとうとう完結しました。連載途中で体調を崩され、とても心配していたのですが、少しずつ回復されて今回の発売に至ったようです。

精緻な絵、緻密な伏線、キャラクター1人1人に対する丁寧な描写(内面・外面ともに)、どれをとっても素晴らしく、初めて読んだ時には頭を殴られたかのような衝撃を受けました。
「漫画」という技法でお話を作る(見せる)とはこういうことなんだ、と。

このお話の外伝的短編『魔物の王国』が雑誌掲載されてから約20年。いまだに作品は色褪せることなく鮮やかで、読む度に新たな発見があります。重厚なテーマと世界観を最後まで破綻させず、全てをきっちりと妥協無く描ききった作品。読み終わった後には、静謐な雪景色に降り注ぐ月光のような、寂しく儚いけれども愛おしい光を見た時にも似た感動を味わえます。
女性(腐女子)向けの作品として紹介されていたり、書店のBL漫画コーナーに置かれていたりしますが、ファンタジーものが大丈夫な方なら男性でも十分に読めるお話だと思います。
というか、もっと評価されて良いと思います(キッパリ)。

今回『鉄錆廃園』を久々に読み返しつつ最後まで読み解いて、改めて華不魅さんと同時代を生きていること、華不魅さんの作品とこうして出会えたことに感謝しています。

そして、華不魅さんの復調がなによりも嬉しいです。